実家に置いてあるこのピアノ、私が3歳の時に買ってもらったのでもう30年経ちます。
今でもこのピアノの前に座るととても気持ちが不思議と落ち着く。 嬉しい時も弾んだ気持ちで弾いたし、悲しい時にも自分を慰めるかのように弾いたことも。 今は実家に置かせてもらっているけど、自分の定住先が決まったらこのピアノを運んで、死ぬまで一緒に暮らしたいと思う。 子供の頃に読んだ本で、毎日同じ曲だけを弾き続けている老婦人の物語が あってずっと頭の片隅に残っている。 その老婦人は少女の頃からピアノが好きで、ピアノを習いたくても貧しくて 習うことができず、そのまま老いてしまっていた。 ある日偶然廃墟に残された埃まみれのピアノをみつけ、独学で練習する。 唯一弾く事のできるようになった曲がショパンの『別れの曲』。 その1曲だけに自分の想いを込めて死ぬまで毎日引き続けるというお話。 きっとその『別れの曲』は技術的な面からいえばおぼつかないところもあるが、 ただ技術的に上手く弾けるピアニストなんかよりもずっと心に染み入る演奏なん だろうなぁって子供心に想像していた。 以前ある人から「確かに楽譜通りに弾けて、普通の人が聞けばうまいねって 言うだろうけどただそれだけだ」って言われたことがあって、その時にも この物語が頭に浮かんだ。 年を重ねて、色々な経験をして、それを自分の糧にして自分の内から外に放つ。 ひとつひとつ丁寧に、心を込めて。 ピアノだけに限らず、ものづくりに関してもそうしていけたらなぁと思う。 ピアノの下から覗き込む娘達。
by un-demi_1-2
| 2006-03-06 23:23
| つぶやき
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